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薬のリスク「のまないために起こる影響」

ここ数年、インフルエンザ特効薬「タミフル」の副作用が大きな話題となっている。タミフルをのんだ小・中学生が「大声を出す」、「落ち着かない」などの異常行動を起こし、ついには死亡事故まで起きてしまいました。
一部の医師や子どもを持つ親たちから、タミフルは即刻禁止せよ、との声もあがり、タミフルはおそろしい薬だという印象が強くなりまいた。

しかし、タミフルはインフルエンザウィルスの増殖を抑える上では非常に効果的な薬であることには間違いありません。6歳以下の幼児の場合、病気の進行によてはインフルエンザウィルスが脳神経に入りこみ、けいれんやや意識障害、異常行動を起こし、後遺症や死亡に至ることも多いおそろしい「インフルエンザ脳症」という合併症を引き起こしやすくなるのです。

これをみると、タミフルの副作用といわれる異常行動は、インフルエンザ脳症の症状と大変似ている。その異常行動がタミフルによるものか、インフルエンザ脳症によるものかの議論については決着がついていません。

タミフルは飲まないほうがいいのか?

副作用が知られている薬を、それでも危険を覚悟でのまなければいけないのでしょうか?私の考えは、「薬ですべてを解決しようとするのは間違い。しかし、薬を危険と決めつけて、まったく利用しないのも間違い」というものです。
たしかに、薬にはリスクが伴います。しかし、薬をのまないことにもリスクは生じます。病院で処方された薬を指示通りのまなかったがために危険な状態になることもあります。

タミフルの場合、死亡例が報告されていることから、タミフルに危険な副作用があることは間違いないでしょう。一方で、抗生物質でも効き目がない「インフルエンザウィルスの増殖を抑える」という作用を、タミフルが持っていることも事実です。

タミフルによる副作用はのむことをやめるとなくなりますが、タミフルをのまずにインフルエンザ脳症を発症すると、症状が完治したあとに後遺症が残り、最悪の場合は命にもかかわる事態も考えられます。以上のことから、タミフルの効果について、副作用による危険や、のまないことの危険について、医師と親の双方が納得できるまで話し合うしかないのです。
もちろん、のむ場合には、のんだあとの状態を注視し続ける必要があることなどはいうまでもありません。薬は利用することも利用しないことも、リスクと隣り合わせだということ。要するに、正しい薬の知識を得て、使い方に賢くなるより他に方法はないのです。

薬の選び方

薬のリスク「子供特有の副作用」

子どもによくみられる病気で、嘔吐、意識障害、けいれん、高熱などの症状があらわれるものを「急性脳症」といいます。その中でも危険性が高いのは、肝臓などの臓器に脂肪が沈着したり、CTスキャンで脳にむくみがみられる.「ライ症候群」。

特に子どもがライ症候群にかかると、重症の場合は命にかかわり、40%の確率で神経系に後遺症が残るともいわれる、おそろしい病気です。原因不明といわれ首断たが、ほとんどのケ= スで発症以前に水痘やインフルエンザなどウィルスが原因の病気にかかっていたことが判明しました。
そして、その子どもたちには解熱鎮痛薬が投与されていました。そこで、原因物質として解熱鎮痛剤成分のひとつであるアスピリンが疑われることに。
現在では、15歳未満がウィルス性の病気にかかった場合、アスピリンが配合されていない解熱鎮痛薬を処方しなければならなくなっています。

たとえからだが大きくても「大人用の薬」を15歳末満にのませてはいけない

大人用に配合されている解熱鎮痛薬の多くは、アスピリンという成分を主要にしています。風邪の諸症状を抑える総合感冒薬にも、アスピリンが配合されている場合があります。ここで気をつけたいのは、大人用の薬がそのまま子どもにも有効なわけではないということです。
どんな薬も、からだにとっては外部から侵入する異物になるが、大人なら対処できる異物であっても、さまざまな防御機能や自然治癒力が未熟な子どもには対処できないことがあるのです。防御機能は年齢に応じて、徐々に整っていきます。

特に、新生児、乳幼児では多くの機能がまだできあがっていないので、年齢、体重に合った薬を使用しなければなりません。最近の子どもは成長が早く、10代前半で大人と見聞違うほどの体格をしている子どももいます。

だからといって、薬に対する機能が万全だとはいい切れません。大人用の薬をのんでいいのは15歳以上。たとえ、からだが大きくても、年齢が15歳未満ならば小児用の薬をのませるのです。

また、夜中に子どもが突然発熱したので、大人用の解熱鎮痛薬を半分だけ与えたという親の例を、ある医師から聞いたことがあります。病院や薬局が開いていないので、「しかたなく」ということだったようですが、これは絶対に避けなければいけません。

子供の代表的な症状、病気はこちら。

薬のリスク「併用」

以前に勃起不全症候群のバイアグラと狭心症の薬(ニトログリセリン)を併用したことで起きた死亡事故がニュースになり注目を集めました。狭心症の薬は心臓に酸素や栄養を送り込んでいる冠状動脈を拡張させて、血液の流れをよくする薬です。

一方、バイアグラにも血管を拡張させる作用がある。バイアグラとこの狭心症の薬とを一緒にのむと、相乗効果によって全身血管が拡張しすぎてしまうのです。そのため、血圧が急に下がり、心臓のポンプ機能に大きな負担がかかります。

場合によっては、フル稼働の心臓ポンプが破裂して死に至る場合もあるのです。

この死亡事故はこのようにして起きたものと思われます。もともと心臓機能が落ちているから、薬をのんでいたはずです。そこにバイアグラと過激な性行為という運動が重なれば、心臓はたまったものではありません。現在では医師の診察を受ければ、処方箋だけで薬局でバイアグラを購入できます。しかし、勝手な自己判断でバイアグラをのむのは絶対厳禁です。

薬同士の「相互作用」の危険

高血圧症や糖尿病など生活習慣病の薬には、毎日続けてのむことでからだの機能を調節するものがあります。これらの薬は病院で医師から処方されるものがほとんど。そのため、何の危険性も感じずに安心して、毎日当たり前のようにのんでいる人が多いようです。

しかし、事故が一番多いのは、こうした「毎日のむ薬と食べ物、飲み物、市販薬とののみ合わせ」によるもの。高血圧症や糖尿病などの薬は、体調を管理する重要な薬なので、のみ合わせで作用を乱されると、痛気を悪化させたり、ときには命にかかわることにもなりかねません。

中でも、薬同士ののみ合わせで起こる「薬の相互作用」は、それぞれの薬が持っている性質、体内で起こる化学反応による副作用で危険な場合があります。特に生活習慣病で薬を毎日のんでいる人が、市販の風邪薬や胃腸薬、漢方薬などと併用して事故を起こすことがあります。薬を何種類かのむ際には、細心の注意と知識が必要なのです。

薬のリスク「危険な飲み合わせ」

グレープフルーツが危険な要因に

「高血圧症」と診断され、病院でもらった血圧を下げる薬。健康を考えて毎朝飲んでいるグレープフルーツジュース。一見、何の関連性もないように思えるが、危険性をはらんでいる可能性があります。高血圧症や狭心症の治療に使われるカルシウム括抗薬は、細胞に出入りするカルシウムに作用して、高血圧を抑えたり、心臓の負担せ軽くするはたらきがあるありますがグレーフルーツジューと一緒にのむと効き目が強くあらわれすぎることがあります。
高血圧の治療に使われる薬について
血圧が急激に下がることで起こる低血圧症がおもな症状で、目まいや立ちくらみ、ひどいときには臓器不全やショツク症状におちいることもあります。

薬と食べ物の食べ合わせ

「天ぶらとスイカ」といわれる食べ物のよくない食べ合わせのように、薬にも「のみ合わせ」があります。場合によっては、それで薬の効き目が弱くなったり、逆に強い副作用が出たりすることがあるのです。のみ合わせには、薬を服用するときの「飲み物や食べ物との相性」、異なる病気が重なっているときに服用する「薬同士の相性」があります。

飲み物や食べ物、または他の薬の持つ作用が薬の効果を邪魔したり、あるいは効き目を強くしてしまうのです。からだの中に入った薬が、体内で相性の悪い化学物質に出合い、有害な化学反応を起こすケースもあります。近頃、このような薬同士をのみ合わせたことによる事故が多発しています。そのため、厚生労働省では薬同士をのみ合わせたことによる症例報告を募り、注意を呼びかけています。

たとえば、こんなことも「のみ合わせ」の弊害です。ついやってしまうことのひとつとして、薬をお茶やコーヒーで流し込むこと。なぜ、お茶やコーヒーがいけないかというと、カフェインによる利尿作用があり、薬の成分が尿として早めに出てしまうからです。

また、お茶に含まれるタンニンは、貧血症の人がのむ鉄剤の吸収をさまたげることもあります。先のリスクケースであげたグレープフルーツジュースと高血圧症の薬をのみ合わせることも危険なことで知られています。からだのためにビタミンを摂ろうとしても、薬によっては相性の悪いものがあるのです。ただし、高血圧症だからといって絶対にグレープフルーツジュースを飲んではいけないわけではありません。さまざまな高血圧症の薬の中でも、特にカルシウム括抗薬を処方されているときに限り、薬と一緒にのむことはやめ、薬をのんでから2時間以上の間隔をあければいいのです。

薬のリスク「中毒症状」

頭痛を抑えるために薬を常飲している人は注意

頭痛に悩まされてのみ始めた解熱鎮痛薬。しかし、頻発する頭痛に対し、1回2錠の薬では効かないように感じ、3錠、4錠と増量しました。しまいには1日に何度も薬を飲むようになってしまいました。

頭痛には解熱鎮痛薬で痛みがやわらぐ「緊張性頭痛」と、そうではない「片頭痛」があります。

偏頭痛は脳の血管が拡張して痛む症状なので、解熱鎮痛薬をいくら服用しても頭痛が治まることはありません。また、問題なのは頭痛の原因に大きな病気が隠れているケースもあります。くも膜下出血や脳腫瘍などが隠れていてそれらを放置していると、もっとおそろしい事態になりかねません。

のむ量、のむ期間を守らないとどうなるか

「病気を早く治したい」といって、薬を多くのんだり、回数を増やしてしまったことはありませんか?これはもっとも危険です。なぜなら、「薬の過剰摂取」はリスクを直接呼び込むものだからです。
薬には必ず副作用があります。薬を必要以上に多量にのむとか、長期間のみ続けると、おのずと副作用が強くあらわれます。

このように、からだに悪影響を及ぼす副作用が強く出た状態がいわゆる薬による「中毒症状」です。たとえば、精神安定剤や睡眠薬などをのみ続けていると、依存性が強くなり、薬をやめると禁断症状があらわれることがあります。アレルギー性皮膚炎に使われるステロイド薬は、痛みやかゆみ、炎症を抑えますが、長く使い続けると体内の免疫機能などにかかわっている副腎皮質ホルモンがはたらかなくなるのです。

そのためステロイド薬をやめると、急性副腎不全というショック症状を起こして、精神障害や胃腸障害があらわれたり、生命の危険にさらされることさえあります。特定の痛みや熱を抑える解熱鎮痛薬も、のみ続けると効き目が悪くなり、薬の量が徐々に増えていきます。

つまり、それは、副作用も多く出るということです。薬の開発、販売するに当たっては、主作用と副作用について、さまざまな角度から調査研究が義務づけられており、その研究結果に合わせて、用法・用量が定められています。

したがって、薬の効果があまり感じられない場合は、その薬が症状、あるいは体質に合わない可能性があります。効き目が悪いときは、薬の量をけっして増やしたりせず、薬を変える相談を医師にすること。やみくもに薬の量を増やすことは、薬の悪い面だけを得ようとするマイナスの行為なのです。

高齢者が注意する薬の副作用について

高齢になると、どうしても受診する病院や科が増えそれに伴って服用する薬が増えます。加齢により体の機能が衰るために、副作用も起こりやすくなります。

薬の副作用「加齢による機能低下で副作用が起こりやすくなる」

年齢が上がるにつれて病気も増え、治療薬も増えてるのが一般的です。60歳代ではおよそ6割、70歳代ではおよろ8割を超える人が薬を日常的に服用しています。不快な症状や異常を治療するために薬は必要ですが、心配になるのが副作用です。

どうしても高齢になるほど副作用が起こる頻度は高くなります。ある調査では、70歳を過ぎるころから副作用の頻度が高くなり、85歳以上では20%を超える人に副作用がみられました。高齢になると複数の病気をもつ人が多くなり、それに伴って使う薬の種類も多くなります。また、体の機能が低下して薬の成分が体内にとどまる時間が長くなり、さらに、薬の種類が多いことなどがのみ忘れやのみ問違いにもつながりやすく、高齢者には副作用が現れやすいのです。

高齢者に多い副作用としては、「鎮痛薬」をのんだときの「胃の痛み」、「睡眠薬」や「降圧薬」による「ふらつき」「転倒」などがあります。また、場合によっては重症化して命にかかわる副作用もあります。もとの病気を治すための薬が副作用の方が大きく影響してしまったら元も子もありません。

高齢者に起こりやすい副作用「肝臓・腎臓」

高齢になれば誰でも体の機能低下がみられます。なかでも薬の副作用に影響がでるのが「肝機能」「腎機能」です。また「感覚機能の低下」も同様です。服用した薬は胃→小腸→肝臓→腎臓という順番に運ばれます。体内で働く薬の量の目安になるのが、血液中の薬の量を示す「血中濃度」です。薬は決められた用法・用量であれば、最も有効な範囲に血中濃度が保たれるようにつくられています。血中濃度が低いと十分な効果が得られず、逆に血中濃度が高いと、副作用が現れやすくなります。
加齢によって肝臓や腎臓の機能が低下すると、薬を分解したり、排泄したりする力が弱くなります。それによって高齢者では、薬が体内に長くとどまり、薬の効果が強く現れたり、作用が長く続きやすくなります。また、高齢者が成人と同じ量の薬をのむと、薬の血中濃度が高くなり、副作用が現れやすくなります。通常、治療の開始時は一般成人の約半分の量から始め、様子を見ながら増やします。

高齢者は内臓の機能以外に、筋力や感覚機能も低下しています。加齢によって筋力が低下しているところに、例えば睡眠薬のように筋肉を弛壊させる作用のある薬をのむと、転倒しやすくなります。また、降圧薬をのんで「めまい」やふらつきが起こると、体を支えきれずに転倒することもあります。
高齢者は骨も弱くなっているため、転倒すると骨折をしたりして、場合によっては、寝たきりにつながることもあります。

便秘や発疹には注意

ふらつきや胃の痛み以外で高齢者に起こりやすい副作用には、腸の働きの低下による便秘があります。便秘は「アレルギー性鼻炎」などの治療で使われる「抗ヒスタミン薬」などで起こりやすく、悪化するとまれに「腸閉塞」が起こるケースもあります。
ほかにも「口が乾く」「尿が出にくい」「眠気」、発疹なども起こることがあります。特に注意が必要なのが発疹です。発疹は、若い人にも起こる可能性がある副作用で、なかには、全身に広がって重症化する危険なものがあります。薬を使っていて発疹が現れたら、重篤な副作用である場合が多いのですぐに医療機関を受診します。

副作用を防ぐのは飲み忘れと服用後の体調変化に注意すること

まず、高齢になれば誰でも副作用がでやすくなるということを頭に入れておきます。そして、なるべく副作用が起こらないように工夫をして、もし現れたときには早めに対処することが大切です。どんな薬でも副作用が起こる可能性はあるので、薬を服用しているときは、自分の体調によく注意します。薬が処方されたとき、種類が変更になったとき、増量されたとき、減量された時は特に注意し体からのサインを見落とさないようにします。
体調に変化がないかなど、自分自身をよく観察するようにしてください。少しでも心配な症状が現れたら、「どの薬をのんで、いつ、どのような症状が起こつたか」をメモしておきましょう。そして、必ず医師や薬剤師に相談して、指示に従うようにしてください。

注意した薬の飲み合わせ

複数の薬を飲むケースが多くなる高齢者は薬の飲み合わせにも十分注意しなければなりません。薬ののみ合わせによって起こる問題には、主に次の4 つのタイプがあります。

  1. 同じ作用が重なるタイプ
    同じような作用をもつ薬を一緒に服用すると、その作用が重なって効き目が強くなりすぎてしまいます。薬の効き目が強すぎると副作用につながります。
  2. 逆の作用が重なるタイプ
    相反する作用をもつ薬を一緒に服用すると、お互いの作用を打ち消し合って、効き目が弱くなります。そのため、薬の効果が出にくくなることがあります。
  3. 結合するタイプ
    薬の成分どうしが結合して別の物質になり、体内に吸収されにくくなります。そのために、薬の効果が発揮できなくなります。
  4. 分解に影響するタイプ
    薬は肝臓で「酵素」によって分解されます。一方の薬が酵素の働きを抑えてしまうと、もう一方の薬が体内に長くとどまって効き目が強くなります。逆に、酵素の働きが促進されると、薬が早く分解されてしまうため、効き目が弱くなります

ワルファリンと鎮痛薬

ワルファリンは血液を固まりにくくする薬ですが、鎮痛薬もワルファリンと同様の作用をもっています。そのため、2つの薬を一緒にのむと、同様の作用が重なってワルファリンの効き目が強くなってしまい、出血しやすくなります。ワルファリンは「脳梗塞」を起こしたときなどに使われますが、一緒に鎮痛薬をのむと、「脳出血」を起こす危険性が高まります。鎮痛薬を長期間服用する場合は、医師がワルファリンの量を減らすなどして調節します。

ビスホスホネートとカルシウム剤

「ビスホスホネート」は「骨粗鬆症」の治療薬です。骨粗鬆症の治療では、「カルシウム剤」もよく使われます。しかし、カルシウム剤やカルシウムを多く含むミネラルウォーターと一緒にのむと、おなかの中でカルシウムと結合して、体内に吸収されなくなってしまいます。薬の効果を得るため、ビスホスホネートは起床後すぐに服用し、その後30分間は何も食べたり飲んだりしないのが基本です。30分たてば、カルシウムを含む牛乳などをとっても問題はありません。

イトラコナゾールとほかの薬

「イトラコナゾール」は、水虫などの治療に使う薬で、さまざまな薬を分解する酵素の働きを妨げる作用をもっています。そのため、ほかの薬と一緒にのむと、ほかの薬の効き目が強くなり、副作用につながりやすくなります。ほかの薬と併用する場合は、薬の分解に影響が現れないものに替える必要があります。使用している薬を必ず医師に伝えてください。

薬と食品の組み合わせ

カルシウム拮抗薬+グレープフルーツ

薬と一緒に食べたり飲んだりすると、影響を及ぼす食品もあります。カルシウム拮抗薬とグレープフルーツ「カルシウム拮抗薬」は高血圧などの治療薬ですが、「グレープフルーツ」やそのジュースを多く摂取すると、一部のカルシウム括抗薬で、その分解が妨げられてしまいます。すると、薬の「血中濃度」が高くなって、血圧が下がりすぎてしまいます。この相互作用は、摂取してから1~3日問程度続くとされます。

ワルファリン+納豆

血液を固まりにくくする作用があるワルファリンと、止血作用をもつ「ビタミンK」を一緒にとると、薬の作用が打ち消されてしまいます。そのため、「血栓」ができやすくなり、脳梗塞につながるおそれもあります。ビタミンKは、「納豆」などに豊富に含まれています。薬と一緒に納豆を1パック程度食べると、3日間ほど相互作用が続くとされます。

抗うつ薬+アルコール飲料

「アルコール」には中枢神経を抑制する作用があるので、お酒は、さまざまな薬とののみ合わせに注意が必要です。特に注意が必要なのが、中枢神経を抑制する作用をもつ「抗うつ薬」「向精神薬」「精神安定薬」などです。
これらの薬をアルコール飲料と一緒にのむと、同じ作用が重なつて薬の作用がより強くなります。場合によっては「意識障害」や「呼吸困難」が起こるおそれもあります。アルコール飲料と同時に薬をのんだ場合だけでなく、体内にアルコールが残っている場合にも影響はあります。体内にアルコールが残っている場合にはこれらの薬は飲んではいけません。

花粉症に使われる薬

花粉症とは?

花粉症は、植物の花粉によって起こるアレルギー性の病気で、原因となる花粉が飛ぶ時期になると症状が現れます。主な症状は、中「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」などのアレルギー性鼻炎の症状で、しばしば「目のかゆみ、充血」などを伴います。

アレルギー症状の起こる仕組み

アレルギーの原因となる花粉(抗原)が体内に入ると、それに対する「抗体」ができます。この抗体が鼻や目の粘膜にある「肥満細胞」に結合して、アレギーの準備状態(感作)が成立します。この状態で、抗原が再び体内に入って、肥満細胞に結合した抗体と反応すると、肥満細胞から十ケミカルメディエーター」と呼ばれる化学物質が放出され、これが粘膜を刺激することによって症状が起こりなす。そのうちの「ヒスタミン」が鼻粘膜の神経を刺激すると「くしゃみ」と「鼻水」が起こります。また、「ロイコトリエン」などが鼻粘膜の血管を刺激することにより、血液中の水分が漏れ出て粘膜がむくんだり、血管が拡張して粘膜が腫れたりして、「鼻づまり」が起こります。



花粉症対策めがね

治療法

治療の第一歩は、体に入る抗原の量を減らすことです。外出時にマスクや眼鏡を使うなど、花粉になるべく触れないようにします。こうした対処だけで症状が抑えられない場合は次のような治療を行います。

  • 薬物療法
    症状を抑える薬を用います。症状の起こる仕組みの違いから、花粉症の治療は、中心となる症状によって「くしゃみ・鼻水型」「鼻づまり型」の2つの病型に大きく分けて考え、薬も、病型と重症度に応じて選択されます。例年強い症状がある人は、症状が出る前から予防的治療(初期療法)を行うことが勧められています。
  • 免疫療法
    原因となっている花粉のエキスを少しずつ注射することで、花粉への反応を弱めていく治療です。
  • 手術療法
    強い鼻づまりに対して、鼻の粘膜を切除したり、レーザーで焼いたりする手術を行うことがあります。鼻水に対しては、神経を切断する手術があります。

治療薬に用いる薬

アレルギー性鼻炎に対して用いる薬は、現在、主な作用によって次のように分類されています。

ケミカルメディエータ一遊離抑制薬

「肥満細胞安定薬」ともいわれ、アレルギー症状を起こすヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどの化学物質(ケミカルメディエーター) が肥満細胞から放出されるのを抑える薬です。くしゃみ・鼻水と鼻づまりの両方に効果があり、内服薬、鼻噴霧薬、点眼薬が使われています。「アンレキサノクス」「クロモグリナ酸ナトリウム」「トラニラスト」「ペミロラストカリウム」という薬があります。作用が穏やかで、副作用が比較的少ないので、初期療法によく用いられますが、十分な効果が現れるまでに2週間ほどかかるため、花粉の飛散が本格化するより前に使用しないと効果がありません。

ケミカルメディエータ1受容体桔抗薬

肥満細胞から放出されたケミカルメディエーターが粘膜の受容体に結合するのを防ぐことで、粘膜への刺激を抑える薬です。

第一世代抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンが受容体に結合するのを防ぎ、くしゃみ、鼻水、かゆみを抑える作用があります。第1世代抗ヒスタミン薬は、古くからある薬で、長い間、花粉症などのアレルギー性鼻炎治療の中心でした。抗ヒスタミン作用は強力で、くしゃみ・鼻水に速くよく効きますが、副作用として眠気が強く出て、胃腸障害などが起こることがあります。また、抗コリン作用があるため、口が渇いたぜんりつせんり、一部の緑内障や前立腺肥大症、気管支ぜんそくなどを悪化させることがあり、これらの病気がある人は使えません。現在は、くしゃみ・鼻水がひどいときだけのむ頓服薬として「フマル酸クレマスチン」と「d・マレイン酸タロルフエl二フミン」が処方されるくらいですが、市販の花粉症・アレルギー性鼻炎の薬の多くに、この薬が含まれています。

第2世代抗ヒスタミン薬

第1世代抗ヒスタミン薬の眠気と抗コリン作用を減らそうと開発されてきた薬で、多くの種類があり、現在、花粉症治療の中心的な薬となっています。多くが内服薬ですが、鼻噴霧用、点眼用の薬もあります。一般に新しい薬のほうが眠気は出にくく改善されており、最近では「塩酸オロパタジン」「塩酸フェキソフェナジン」「ベジル酸ベポタスチン」「ロラタジン」などがよく用いられています。働きの中心は抗ヒスタミン作用ですが、ほかにもさまざまな働きがあり、くしゃみ・鼻水ばかりでなく、鼻づまりにも効果があるとされる薬もあります。副作用は第1世代より軽減されていますが、眠気や口の渇きが出たり、ほかの薬との相互作用に注意が必要なものもあります。

坑口イコトリエン薬

気管支ぜんそくの治療に使われる薬ですが、アレルギー性鼻炎に対しては「プランルカスト水和物」という内服薬があります。ロイコトリエンが鼻の粘膜や気管支にある受容体に結合するのを防いで、粘膜のむくみや腫れを抑える作用があり、主に鼻づまりの改善のために使われます。くしゃみ・鼻水にもある程度の効果があります。のみ始めから1週間ほどで効果が現れてきます。副作用で下痢、腹痛、吐き気などが起こることがあります。

抗プロスタグランジンD2/トロンボキサンA2薬

主に鼻づまりの改善のために用いられている薬で、「ラマトロバン」という内服薬があります。鼻粘膜などのトロンボキサンの受容体を遮断して鼻づまりを改善します。また、プロスタグランジンD2の受容体を遮断して鼻粘膜の過敏性を抑えるため、くしゃみ・鼻水にも効果があります。ただ、効果の現れ方は緩やかで、ピークに達するまでに4週間ほどかかります。副作用で血液が固まりにくくなることがあり、ワルファリンカリウムやアスピリンをのんでいる人には適しません。肝障害が起こる可能性があるので、定期的な肝機能検査が必要とされています。

Th2サイトカイン阻害薬

主に抗体をつくる命令を出すリンパ球(Th2)に働きかけて、抗体をつくりにくくしようという薬で、「トシル酸スプラタスト」という内服薬があります。長期間のみ続けないと効果が現れず、また、症状を強力に抑える薬ではないため、花粉症の治療では、あまり一般的な薬ではありません。人によっては、胃腸障害、肝障害、腎障害などの副作用が起こることがあります。

ステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)

アレルギー反応を起こしにくくして、炎症を抑える作用があります。花粉症の鼻炎症状に対しては、通常、鼻噴霧用ステロイド薬の「プロピオン酸フルチカゾン」「プロピオン酸ベクロメタゾン」を用います。くしゃみ・鼻水にも鼻づまりにも効き、ほかの薬よりも高い効果があります。第2世代抗ヒスタミン薬などの内服薬との併用が一般的で、鼻づまり型を中心に、症状が重いほど、この薬の必要度が高くなるといえます。使い始めて2~3日で効果が現れてきますが、決められたとおり定期的に使わないと、十分な効果が発揮されません。
全身的な副作用はほとんどありません。鼻噴霧薬でどうしても症状が抑えられななければ、経口用ステロイド薬を用いることもありますが、副腎の機能を抑制するので、長期間使うと、副作用で骨粗鬆症や胃潰瘍、糖尿病などが起こることがあります。そのため、1週間以内など、できるだけ短期間に限って使います。花粉症には、第1世代抗ヒスタミン薬との配合薬である「ベタメタゾン・dマレイン酸クロルフェニラミン」がよく使われています。

血管収縮薬(α交感神経刺激薬

ひどい鼻づまりに対して、一時的に用いる点鼻薬です。点鼻するとすぐに鼻が通ってきますが、効果が続くのは数時間程度です。使い続けると効果の持続時間が短くなり、量を増やさないと効かなくなります。薬の使いすぎでかえって鼻づまりになる「薬剤性鼻炎」を招きやすく、連用は禁物です。鼻づまりが非常に強いときには、この薬で鼻が通った後にステロイド薬を噴霧するようにして治療を始め、徐々にステロイド薬だけに切り替えていきます。

その他

漢方薬の「小青竜湯」などが使われることがあります。

花粉症の治療薬の選択

花粉症薬

花粉症薬

つらいくしゃみ、鼻水、鼻づまりには眠気を抑えたアレルギー性鼻炎薬がおすすめ

不眠の治療に使われる薬

不眠症とは?

日本人の成人の4~5人に1人は、不眠で悩まされています。原因は、個人個人様々で複雑なケースもありますが、ごくごく単純な場合もあります。心配事や、緊張、不安といったストレスがあれば誰でも眠れなくなることはよくあります。
緊張による不眠はかなりの割合でたくさんの方が悩まされています。かゆみ、痛みなど病気が原因でも睡眠が妨げられることがあります。
眠りにつくとあらわれる症状で手足の筋肉が自分の意志とは無関係に動いてしまう「周期性四肢運動障害」や眠ろうとして横になると足に異常な感覚が生じる「むずむず脚症候群」、睡眠中に呼吸が停止してしまう「睡眠時無呼吸症候群」などの病気が原因で不眠になってしまう人もいます。
また、精神的な理由による心の病気などでも不眠が起こりやすくなります。鬱病などでは、最初の兆候が不眠である場合がとても多いです。こうした事以外でもカフェインやアルコール、服用中の薬の副作用などでも不眠になることがあります。睡眠を妨げる明らかな原因や不眠を起こす病気などがないのに、1ヶ月以上不眠が続き、そのために日中に心身の不調が生じる状態を「不眠」と定義しています。
不眠のタイプには次の4つのタイプがあります。

  • 入眠障害…なかなか寝付けない
  • 中途覚醒…夜中に目が覚める
  • 早朝覚醒…早朝に目が覚めてしまう
  • 熟眠障害…熟睡感を自覚できない

治療法

不眠の解消には、睡眠を妨げている原因をさがし、その原因を取り除くことがポイントとなります。不眠の原因になっている病気があれば治療を行うことが先決です。生活習慣を改善して生活のリズムを整えることも重要です。
ただ、自分でできる範囲のことを行っても眠れない場合、原因の特定が難しい場合には、睡眠薬を用いた処方も必要になります。最近の睡眠薬は正しく用いれば安全に使えるものがほとんどです。薬で不眠のつらさを軽減しながらよい睡眠が十分にとれる生活を目指します。

不眠治療に使われる薬

睡眠薬は、「ベンゾジアゼピン受容体作動薬」と「バルビツール酸系」など古くからの薬の2タイプに分けられます。現在、不眠症の治療に使われるのは、ベンゾジアゼピン受容体作動薬です。睡眠薬というのは、これを指します。

ベンゾジアゼピン受容体作動薬

ベンゾジアゼピン関連物質と呼ばれることもある薬です。医師から「精神安定剤」と説明された人もいるかもしれません。眠りを起こす脳の部位(睡眠中枢)に作用して自然な眠りを起こす薬でかつてよく使われていたバルビツール系の睡眠薬のような薬への依存性が生じにくく、安全性が高い薬です。

睡眠薬の種類と使い分け

睡眠は作用時間によって4種類に分けられ、文のタイプに応じ使い分けられます。作用時間が短い、「超短時間作用型」と「短時間作用型」の薬は、入眠時のみに効き、翌朝に作用を持ち越しません。
寝付きの悪い人向けの薬です。「睡眠導入薬」「入眠薬」というのもこのタイプに入ります。
一方、やや長時間穏やかに効く「中時間作用型」や「長時間作用型」の薬は、夜中に何度も目がさめる「中途覚醒」や早朝に目覚める人に向いています。
また、睡眠薬は、併せ持つ作用面から2種類に分けられ、不眠に伴う症状によって使い分けられます。薬が作用するベンゾジアゼピン受容体のうちΩ1受容体は、鎮静催眠作用にΩ2受容体は、抗不安作用や弛緩作用に関わっているようです。
現在、主に使われている睡眠薬は、どちらの受容体にも作用するため鎮静睡眠作用と併せて抗不安作用や筋弛緩作用をもちますが、最近登場したΩ1受容体に選択的に作用する睡眠薬はΩ2受容体への阿庄が弱く、抗不安作用や筋弛緩作用をほとんど伴いません。
一般に強い緊張や不安がある人や肩こりなどを伴う人には、Ω2受容体への作用を併せ持つ薬のほうが向き、そうでない人は、Ω1受容体に選択的に作用する薬のほうが副作用が出にくいといえます。

服用の仕方

睡眠薬は、就寝前に、医師に指示されたとおりの量を服用します。生活を規則正しくし、時間を決めて服用することが大切です。睡眠薬は、服用して30分ほどで効き始めます。服用後はすぐに眠らないと、記憶障害などが起こる場合があるので注意します。服用後は、30分以内に寝るようにします。

使用上の注意と副作用

睡眠薬の主な副作用としては、次ぎのようなものが代表的です。

  • 持ち越し効果…薬の作用が長く続きすぎて、朝起きたときにぼんやりしたり、眠気が続くことがあります。この場合、薬の作用時間、量の見直しが必要です。
  • 記憶障害…「服用から寝付くまでの時間」「睡眠中に起こされた」「翌朝」など薬が効いている間の記憶が一部抜け落ちることがあります。アルコールと併用すると頻度が高くなります。
  • 筋肉の脱力…筋肉の緊張をほぐす作用によるものでΩ2受容体への作用をもつ薬で現れます。転びやすくなります。
  • アルコール…睡眠薬の吸収を高めて作用を増強する上、脳に対する作用が重複するので副作用が強く現れます。
  • 薬…抗ヒスタミン薬、マクロライド系抗菌薬、シメチジン(胃潰瘍などの薬)、抗真菌薬、カルシウム拮抗薬などが睡眠薬の効果を増強する場合があります。

その他の薬

従来からの睡眠薬である「バルビツール酸系」「非バルビツール酸系」は、脳全体の機能を麻痺させ、呼吸中枢にも作用する薬です。継続して服用すると、耐性や依存性が生じやすく、多量に服用すると生命の危険もあります。検査やてんかんなどの治療に使われますが、不眠の治療には使われていません。緊張や不安が強い人の不眠には、ベンゾジアゼピン受容体に作用するジアゼパムなどの「抗不安薬」を用いることもあります。鬱病の不眠には、「抗うつ薬」で催眠作用をもつものを使う場合もあります。

不眠症のタイプに応じた薬の使い分け(一覧)

 
入眠障害
中途覚醒、早朝覚醒
  • 神経的傾向が弱い場合
  • 脱力ふらつきが出やすい場合
  • ゾルビデム(マイスリー)
  • ゾクピロン(アモバンなど)
  • クアゼパム(ドラールなど)
  • 神経症的傾向が強い場合
  • 肩こりなどを伴う場合
  • トリアゾラム(ハルシオンなど)
  • ブロチゾラム(レンドルミンなど)
  • ロルメタゼパム(エバミール、ロラメット)
  • リルマザホン(リスミーなど)
  • エチゾラム(デバスなど)
  • フルニトラゼパム(サイレース、ロヒプノール)
  • ニトラゼパム(ネルボン、ベンザリンなど)
  • エスタゾラム(エリミン)
  • フルラゼパム(ダルメート、ベノジールなど)
  • ハロキサゾラム(ソメリン)

最近では、ドラッグストアーや薬局でも処方箋不要で睡眠薬が購入できるようになっています。こちらです。

便秘の治療に使われる薬

日常の生活習慣と非常に深く関わる便秘についてです。どうしてもどうしても出ない場合には、薬も上手に活用して便秘を改善していきます。お薬は、便を柔らかくしたり、腸を刺激し、排便を促す薬が処方されます。

便秘とは?

生活習慣病というと、「便秘」を一番にイメージする人も多いくらいメジャーになってしまった生活習慣病の代表的病気です。排便のリズムが乱れてしまい、何日も便が出なかったり、あるいは便は出るけれど、不快に感じてスッキリしないなどの症状を便秘といいます。便秘には、2種類のタイプがあり、大腸やその周辺の病気により便の通り道が狭められるために起こる「器質性便秘」もありますが、日常的に悩まされる常習性の便秘は、「機能性便秘」といいます。機能性便秘も大きくは2つに分類することができます。

弛緩性便秘

大腸の緊張がゆるんで蠕動運動が弱くなり、便が正常に運搬されないために起こります。高齢者に多い症状です。

けいれん性便秘

大腸の蠕動運動が強すぎて痙攣するように締まったり、腸管がくびれて狭くなったりするために便の通過が妨げられます。若い人に多くみられます。
このふたつのタイプを知りたくても現実的には、調べる検査法がなく判別がつきにくいケースもあります。また、恥ずかしさからなかなか病院を受診することを拒んでしまう人が多く原因がうやむやになっているケースが多いです。
精神的なストレスによって便通異常や腹痛などが起こる「過敏性腸症候群」でも便秘だけが現れる場合もあり、単なる便秘と区別がつきません。最近では常習性の便秘には過敏性腸症候群もかなり含まれていることが確認されています。

治療法は

便秘に対する治療の基本は、共通ですので、一般の治療では、便秘の治療薬からはじめて効果がなければ薬を替えていくという方法が一般的です。
「機能性便秘」を解消するには、排便習慣の改善、食物繊維の十分な摂取、適度な運動などが欠かせません。薬ばかりに頼らずに生活習慣の改善で快適な排便が行えるよう努めます。

便秘の治療薬

便秘の治療には「浸透圧下剤」や「ポリカルボフィルカルシウム」などの便の性状を調整する薬「刺激性下剤」や「自律神経作用薬」などの超の蠕動運動を促す薬がが主に用いられています。

浸透圧下剤

浸透圧を利用して大腸壁から腸内に水分を移行させ、便を軟らかくする薬です。いもに主に「塩類下剤」がメインで使われます。

塩類下剤

酸化マグネシウム」「水酸化マグネシウム」「炭酸マグネシウム」「硫酸マグネシウム」「人工カルルス塩」などがあり、便秘の治療薬としては、酸化マグネシウムが最も処方されています。これらの物質が大腸内を通過する際に、腸壁から水分が分泌されます。そのために水分を多く含む軟らかい便になり、排泄が促進されます。
作用が穏やかで副作用が少ない、便秘治療薬では、よく使用される薬です。通常、1日3回、食後に服用します。
腎機能が低下している患者さんには、マグネシウムが尿から十分に排泄されずに血液中に増加してしまう場合もあるので、定期的に血液検査を行います。

膨張性下剤

水分を吸収して便を膨張させ、便をかさを増やします。食物繊維を薬で摂るようなイメージです。作用が穏やかで安全性も高くていいのですが、口に含んだときから水分を吸収するため飲みにくく、ほとんど処方されなくなりました。

浸潤性下剤

硬い便に水分を浸透させて軟らかくし、出しやすくする薬です。最近は、ほとんど処方されなくなりました。

糖類下剤

産婦人科の手術や子供の便秘などに用いられることがある薬です。

ポリカルボフィルカルシウム

「過敏性腸症候群」の治療薬として最近になって使用されはじめた薬です。腸内に水分を保持して便を軟らかくし、便のかさを増やすことで、スムーズな排便を促します。膨張性下剤と同様の原理ですが、ポリカルボフィルカルシウムは、腸に到達してから水分を吸収してふくらむので、使いやすい薬として注目を集めています。
服用しても体内を通過するだけで吸収されないという点でも副作用の心配が無用です。安全性が高く処方しやすい薬です。便の物理的な性質を整える薬で、水分を減らすこともできるため下痢の時にも処方することができます。

刺激性下痢

腸を刺激して排便のきっかけにする薬です。主に弛緩性便秘に処方されます。けいれん性便秘の人が服用すると、痙攣がひどくなり、ひどい複数を起こす場合もあります。現在、使われている刺激性便秘は、主に大腸を刺激するものです。

大腸刺激性下剤

大腸を刺激することで、蠕動運動を活発にし、便を押しすすめる力を強める薬です。下剤としてさの作用は、浸透圧下剤より強いのですが、習慣性が生じやすく、長期使用には、十分注意します。以下の2種類あります。

アントラキノン系 古くから便秘の治療薬に使われてきた生薬やその他エキスがほとんどで、アロエ、センナ、センナエキス、センナ・センナ実、センノシド、ダイオウやその配合剤などがあります。夜、服用して翌朝の排便を促すのが基本です。市販の便秘薬の多くは、この種類に分類されます。続けて使用すると次第に効きが悪くなります。
ジフェニルメタン系 ジフェニルタンという物質によって大腸の粘膜を刺激するもので、ピコスルファートナトリウムという薬が使われています。刺激性下剤としては、アントラキノン系よりも習慣性が少なく、薬の用量で作用の強弱をコントロールしやすくお年寄り~子供まで服用できます。1日1回、就寝前に服用します。錠剤、カプセル以外に液剤もあります。
直腸刺激性下剤

肛門から注入し、直腸を刺激して排便を促します。座薬です。数分~30分ほどで効果が現れます。習慣性があり、連用には十分注意します。

小腸刺激性下剤

小腸の粘膜を刺激して排便を促します。古くから使用されてきた「ヒマシ油」という液剤があります。非常に飲みにくくあまり処方されていません。

自律神経作用薬

自律神経に働きかけて、腸の働きを調整する薬です。「ネオスチグミン」などの副交感神経を刺激して腸の働きを活発にする薬が、弛緩性便秘に処方されます。通常は、下剤の補助薬として主に大腸刺激性下剤と併用されます。この種類の薬は、神経を介して腸を一斉に動かすので、排便をを促す効果はかなり期待できますが、体内に吸収されて全身に影響するため、ここ最近は、ほとんど処方されていません。持病で不整脈のある人、妊娠中の人などは厳禁です。

浣腸薬

「便秘薬=浣腸薬」というイメージを持つ人がいるくらい、便秘薬としては、定着している薬です。肛門から注入して、直接直腸を刺激します。「グリセリン」が処方されます。強力な下剤ですが、習慣性も強く適応は限定されます。肛門近くの便が硬くて、内服薬だけではどうしても排便できないときなどに用いるのはやむを得ないのですが、できるだけ浣腸薬は使用を控えます。
妊娠中に使用すると、流産の危険性が高まります。

抗コリン薬

副交感神経を遮断し、腸の動きを抑制する作用のある薬で、激しいけいれん性便秘に処方されます。弛緩性便秘の原因となる薬であります。

最近では、ドラッグストアーや薬局でも処方箋不要で便秘改善薬が購入できるようになっています。こちらです。

薬には頼らないで便秘を改善したい場合は、トクホのイサゴールがおすすめです。

脳梗塞の治療に使われる薬

脳梗塞は、発症したらすぐに薬物療法を開始して、脳の損傷を最小限にくい止めることが大切です。急性期を乗り越えたら血栓をできにくくする薬物療法にはいります。

脳梗塞とは

動脈硬化が原因で発症する脳梗塞は、非常に危険な病気です。患者数は137万人で、年間、13万人のもの人が亡くなる病気です。がん、心臓病に次いで多いのが脳卒中(脳血管障害)です。脳卒中には、脳の血管がつまる、脳梗塞、脳の血管がやぶれる、脳出血、脳の血管の瘤が腫れるする、くも膜下出血があります。このうち、最も多くを占めるのが脳梗塞です。
脳梗塞では、脳の血管が詰まって、そこから先へ血流が流れなくなり、酸素やブドウ糖が行き渡らなくなるために脳の細胞が一部壊死をしてしまいます。こうした原因により一命をとりとめても後遺症が残ることが少なくありません。
脳梗塞にも3タイプあり次にように分類されています。

ラクナ梗塞
脳の中の細い動脈が詰まる症状です。主に高血圧が原因で脳の星動脈の動脈硬化が進み、血管壁が厚くなったり、内腔が狭くなり最終的には、詰まってしまいます。
アテローム血栓性脳梗塞
脳の比較的太い動脈や脳に血液を送る頸動脈の動脈硬化から起こるものです。コレステロールなどが血管壁にたまってできたアテロームが破れて血栓ができたり、頸動脈でできた血栓が脳の血管に詰まったりします。
心原性脳梗塞症
心臓の内部でできた血栓が脳の血管に流れていって詰まるものです。心房細胞という不整脈の一種などにより心臓の中で血流がよどんで血栓ができることから起こります。重症化しやすいタイプです。

治療法

病型だけでなく、どの血管が詰まって脳のどの部位がどの程度障害されたかに応じて治療法は異なります。また、急性期、慢性期そして後遺症によっても治療は異なります。

急性期

発症直後の急性期には、血圧、呼吸、体温などの全身の管理や合併症対策に注意しながら脳細胞の損傷を最小限に抑えるための治療が行われます。中心になるのは、薬物療法ですが、発作が起きてからの経過時間が治療法を決めるための鍵となります。

血栓溶解療法
発症直後には、血栓溶解薬を使い、血流の再開、改善を図ります。
抗血小板療法
血栓が大きくなるのを防ぎます。
抗凝固療法
血栓が大きくなるのを防ぎます。
抗脳浮腫療法
梗塞部位生じるむくみを抑え、脳圧低下を図ります。
脳保護療法
脳細胞の死滅をくい止めるために発症直後に脳保護薬を使用します。
血液希釈療法
血漿増量薬で血液の粘りを下げて血流を改善します。

このほか脳の圧力により意識障害が進行しているような場合には、外科的治療で圧迫を軽減します。

慢性期

慢性期は、再発予防が中心となります。脳梗塞は、再発を繰り返すと症状がさらに悪化するので、一度脳梗塞を起こしてしまった人は再発予防につとめます。
ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞では、血圧のコントロール、抗血小板薬による血栓予防、動脈硬化を防ぐための脂質異常症の治療などを行います。心原性脳梗塞症では、抗凝固薬による血栓予防が大事になります。
頸動脈の狭窄が進行していれば、カテーテル治療、そして外科手術を行うケースもあります。

後遺症

後遺症を最小限にとどめるための大切な治療は、急性期からリハビリを行います。脳梗塞の後遺症に伴う意識低下やめまいなどの症状に対して「脳循環代謝改善薬」を使う場合もあります。

脳梗塞の主な症状(まとめ)

  • からだの左右どちらかがうまく動かせない
  • 体の左右どちらかがしびれる
  • 舌がもつれる
  • ろれつが回らない
  • ふらついて立てない
  • ぐるぐる回るようなめまい
  • テキスト
  • 二重に見える
  • 片目が突然見えなくなる
  • 視野の片側が欠ける
  • 意識が朦朧とする

脳梗塞の治療に処方される薬

脳梗塞の治療では、次のような薬が必要に応じて組み合わせて処方されます。急性期には、注射薬が、その後の再発予防には内服薬がメインに使われます。

血栓溶解薬

脳梗塞が発症した直後に使われる血栓溶解療法で処方される薬です。血栓を溶かす作用があります。脳の血管に詰まった血栓を薬で溶かすことで、血流を再開させます。詰まって間もないうちに治療を開始することができれば脳のダメージを最小限に押さえることが出来、後遺症も少なくてすみます。
現在、注目されているのが、「-tPA」(組織プラスミノーゲンアクチベーター)の一種、「アルテプラーゼ」という注射薬で静脈に点滴して使います。血栓溶解薬として心筋梗塞の治療には従来から使用されていましたが、2005年から脳梗塞の治療も保険適用となりました。タイプを問わず、脳梗塞の治療に使えますが、適応は発症から3時間以内に限定されます。また、数は限られますが、この治療を行うことが可能な医療機関では、治療の対象となるかどうかが検討されます。
t-PA療法は、脳梗塞の発症から3時間以内に治療を受けるとほとんど後遺症も残らずに回復するのですが、時間が経過してしまった場合には、脳の細胞が壊死して血管がもろくなるため、血流を再開させると、脳出血を招く危険性が高まることから慎重に検討されます。
このほかの血栓溶解療法としは、カテーテルを血管の詰まった部分まで送り込み、ウロキナーゼという薬を注入する方法があります。比較的、太い動脈に血栓が詰まった軽症から中等症状の人でCT画像上に梗塞巣が見られず、発症から6時間以内に治療が開始できる場合には、効果が期待できるとされています。
ただし、この治療も受診できる病院が限られ、現在のところ健康封建も適用されません。従来、発症後、5日以内のラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞に対し、脳の血流改善を目的に少量のウロキナーゼを静脈に点滴する治療も行われてきましたが、十分な治療効果を得られずに最近では、この治療も行われなくなっています。

抗血小板薬

血液中の血小板には、血管壁が損傷をうけた際に、その部位を固めて出血を抑制する働きがあります。脳の血管内にできる血栓も、動脈硬化で傷んだ血管の内壁に血小板が集まります。
抗血小板薬は、血小板が活性化して固まるのを抑えて血栓ができにくいようにする薬です。脳梗塞の場合、オザグレルナトリウム、という注射薬やアスピリンやその配合剤のアスピリン・ダイアルミネートをはじめとする内服薬が処方されます。

急性期

脳梗塞の抗急性期の治療では、抗血小板薬は主に血栓が大きくなって進行を防ぐ目的で処方されます。オザグレルナトリウムは、発症後5日以内のラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞に点滴を使用して用いられます。運動障害の改善などの効果が確認されえちます。血流を増やす作用もあり、とくにラクナ梗塞に有効です。また、慢性時期に処方されることの多い、アスピリンの内服薬を発症後48時間以内の急性期に用いることで有効なケースもあります。急性期の抗血小板療法としては慢性期の2倍ほどの量を服用します。

慢性期

ラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞の慢性期には、血栓ができるのを防ぐ目的で抗血小板薬の内服薬を服用します。アスピリンが代表的な薬です。そのほかにチクロピジン、クロピドグレルなどの作用の強い薬も処方されます。ラクナ梗塞の再発予防には、シロスタゾールも有効です。
抗血小板薬は、抗凝固薬のワーファリンに比べると血栓予防の作用は弱いのですが、出血の危険性も相対的に低いことから、心原性脳梗塞症でワーファリンを使えない場合の血栓予防にも処方されます。

使用上の注意と副作用

出血しやすくなります。アスピリンは胃腸障害などの副作用が出やすいため、特に水分の摂取制限がない限り多めの水分で服用します。
チクリピジンでは、血小板や白血球の減少、肝障害などが起こる場合があります。定期的な血液検査を実施します。クロピドグレルも同様の副作用の可能性がありますが、安全性は高いとされています。

抗凝固薬

血液中の凝固因子の働きを抑制し、血栓を出来にくくする作用を持つ薬です。脳梗塞の治療においては、「ヘパリンナトリウム」「アルガトロバン」内服薬のワーファリンが処方されます。

急性期

発症後、48時間以内の脳梗塞に対して主にヘパリンナトリウムを点滴で投薬する抗凝固療法が行われます。主として、心原性脳梗塞症の急性期の再発を目的とする治療ですが、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞で梗塞巣が拡大しているような場合、にも検討されるケースがあります。ただし、脳の梗塞が広範囲に及ぶ場合や発作前から著しく血圧が高いケースには、この方法は使われません。
発症直後のアテローム血栓性脳梗塞に対してはアルガトロバンによる抗凝固療法が行われることもあります。発作から48時間以内で脳の梗塞病変が1.5cmをこえるようなケースが対象となり、アルガトロバンを1週間点滴で行います。

慢性期

慢性期の治療では、血栓予防のためにワーファンリンを処方します。心臓でできる血栓には、凝固因子のかかわりが深いことから心原性脳梗塞因子のかかわりが深いことから再発予防に必須の薬です。

使用上の注意と副作用

出血しやすくなるため、妊娠中の女性、高齢者、これから手術の予定などがある人は使えない場合があります。薬の効き方には個人差があり、血液検査により薬が適切に効いているかどうかの判断をします。服用中は、ビタミンKを多く含む食品(納豆・クロレラなど)などは薬の作用を低下させてしまうので控えるようにします。
ほかの薬との併用でも効果が変動しやすく医師の指示を守ることが大切です。

抗脳浮腫薬

脳梗塞を起こすと、梗塞部の周辺の組織に浮腫(むくみ)が生じます。むくみが強く脳圧が高まると、脳の組織が圧迫され正常な細胞にまで障害が及ぶ可能性があります。そこで急性期の抗脳浮腫療法では「濃グリセリン・果糖(グリセロール)」「D-マンニトール」などの脳のむくみを抑制する薬を点滴で行います。特に心原性脳梗塞症、アテローム血栓性脳梗塞でグリセロールがよく処方されます。腎障害、糖尿病患者には慎重に使用します。

脳保護薬

抗酸化作用をもつ「エダラボン」という注射薬が、脳梗塞の急性期の脳保護療法に点滴で使われます。脳梗塞発作後の、深刻な細胞破壊の深刻に影響を及ぼす脳細胞の死滅を防ぐためのものとなります。
どのタイプの脳梗塞にも有効ですが、発症から24時間以内の治療を開始できた場合に限ります。

血漿増量薬

脱水で血液が濃くなると、血液が流れにくくなり、脳梗塞を悪化させる要因になります。そこで急性期の血液の希釈療法では血液の液体成分である「血漿」を増やして粘りを下げ流れやすくする「デキトラン40」などの血漿増量薬を点滴で行います。

脳循環代謝改善薬

脳の血流や代謝を改善する薬です。後遺症に伴うめまいなどに「イブジラスト」「イフェンプロジル」、意識低下に「ニセリゴリン」などの内服薬が処方されます。「シチコリン」という注射薬が急性期の意識障害や発作後の片麻痺などに用いられる場合もあります。