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便秘の治療に使われる薬

日常の生活習慣と非常に深く関わる便秘についてです。どうしてもどうしても出ない場合には、薬も上手に活用して便秘を改善していきます。お薬は、便を柔らかくしたり、腸を刺激し、排便を促す薬が処方されます。

便秘とは?

生活習慣病というと、「便秘」を一番にイメージする人も多いくらいメジャーになってしまった生活習慣病の代表的病気です。排便のリズムが乱れてしまい、何日も便が出なかったり、あるいは便は出るけれど、不快に感じてスッキリしないなどの症状を便秘といいます。便秘には、2種類のタイプがあり、大腸やその周辺の病気により便の通り道が狭められるために起こる「器質性便秘」もありますが、日常的に悩まされる常習性の便秘は、「機能性便秘」といいます。機能性便秘も大きくは2つに分類することができます。

弛緩性便秘

大腸の緊張がゆるんで蠕動運動が弱くなり、便が正常に運搬されないために起こります。高齢者に多い症状です。

けいれん性便秘

大腸の蠕動運動が強すぎて痙攣するように締まったり、腸管がくびれて狭くなったりするために便の通過が妨げられます。若い人に多くみられます。
このふたつのタイプを知りたくても現実的には、調べる検査法がなく判別がつきにくいケースもあります。また、恥ずかしさからなかなか病院を受診することを拒んでしまう人が多く原因がうやむやになっているケースが多いです。
精神的なストレスによって便通異常や腹痛などが起こる「過敏性腸症候群」でも便秘だけが現れる場合もあり、単なる便秘と区別がつきません。最近では常習性の便秘には過敏性腸症候群もかなり含まれていることが確認されています。

治療法は

便秘に対する治療の基本は、共通ですので、一般の治療では、便秘の治療薬からはじめて効果がなければ薬を替えていくという方法が一般的です。
「機能性便秘」を解消するには、排便習慣の改善、食物繊維の十分な摂取、適度な運動などが欠かせません。薬ばかりに頼らずに生活習慣の改善で快適な排便が行えるよう努めます。

便秘の治療薬

便秘の治療には「浸透圧下剤」や「ポリカルボフィルカルシウム」などの便の性状を調整する薬「刺激性下剤」や「自律神経作用薬」などの超の蠕動運動を促す薬がが主に用いられています。

浸透圧下剤

浸透圧を利用して大腸壁から腸内に水分を移行させ、便を軟らかくする薬です。いもに主に「塩類下剤」がメインで使われます。

塩類下剤

酸化マグネシウム」「水酸化マグネシウム」「炭酸マグネシウム」「硫酸マグネシウム」「人工カルルス塩」などがあり、便秘の治療薬としては、酸化マグネシウムが最も処方されています。これらの物質が大腸内を通過する際に、腸壁から水分が分泌されます。そのために水分を多く含む軟らかい便になり、排泄が促進されます。
作用が穏やかで副作用が少ない、便秘治療薬では、よく使用される薬です。通常、1日3回、食後に服用します。
腎機能が低下している患者さんには、マグネシウムが尿から十分に排泄されずに血液中に増加してしまう場合もあるので、定期的に血液検査を行います。

膨張性下剤

水分を吸収して便を膨張させ、便をかさを増やします。食物繊維を薬で摂るようなイメージです。作用が穏やかで安全性も高くていいのですが、口に含んだときから水分を吸収するため飲みにくく、ほとんど処方されなくなりました。

浸潤性下剤

硬い便に水分を浸透させて軟らかくし、出しやすくする薬です。最近は、ほとんど処方されなくなりました。

糖類下剤

産婦人科の手術や子供の便秘などに用いられることがある薬です。

ポリカルボフィルカルシウム

「過敏性腸症候群」の治療薬として最近になって使用されはじめた薬です。腸内に水分を保持して便を軟らかくし、便のかさを増やすことで、スムーズな排便を促します。膨張性下剤と同様の原理ですが、ポリカルボフィルカルシウムは、腸に到達してから水分を吸収してふくらむので、使いやすい薬として注目を集めています。
服用しても体内を通過するだけで吸収されないという点でも副作用の心配が無用です。安全性が高く処方しやすい薬です。便の物理的な性質を整える薬で、水分を減らすこともできるため下痢の時にも処方することができます。

刺激性下痢

腸を刺激して排便のきっかけにする薬です。主に弛緩性便秘に処方されます。けいれん性便秘の人が服用すると、痙攣がひどくなり、ひどい複数を起こす場合もあります。現在、使われている刺激性便秘は、主に大腸を刺激するものです。

大腸刺激性下剤

大腸を刺激することで、蠕動運動を活発にし、便を押しすすめる力を強める薬です。下剤としてさの作用は、浸透圧下剤より強いのですが、習慣性が生じやすく、長期使用には、十分注意します。以下の2種類あります。

アントラキノン系 古くから便秘の治療薬に使われてきた生薬やその他エキスがほとんどで、アロエ、センナ、センナエキス、センナ・センナ実、センノシド、ダイオウやその配合剤などがあります。夜、服用して翌朝の排便を促すのが基本です。市販の便秘薬の多くは、この種類に分類されます。続けて使用すると次第に効きが悪くなります。
ジフェニルメタン系 ジフェニルタンという物質によって大腸の粘膜を刺激するもので、ピコスルファートナトリウムという薬が使われています。刺激性下剤としては、アントラキノン系よりも習慣性が少なく、薬の用量で作用の強弱をコントロールしやすくお年寄り~子供まで服用できます。1日1回、就寝前に服用します。錠剤、カプセル以外に液剤もあります。
直腸刺激性下剤

肛門から注入し、直腸を刺激して排便を促します。座薬です。数分~30分ほどで効果が現れます。習慣性があり、連用には十分注意します。

小腸刺激性下剤

小腸の粘膜を刺激して排便を促します。古くから使用されてきた「ヒマシ油」という液剤があります。非常に飲みにくくあまり処方されていません。

自律神経作用薬

自律神経に働きかけて、腸の働きを調整する薬です。「ネオスチグミン」などの副交感神経を刺激して腸の働きを活発にする薬が、弛緩性便秘に処方されます。通常は、下剤の補助薬として主に大腸刺激性下剤と併用されます。この種類の薬は、神経を介して腸を一斉に動かすので、排便をを促す効果はかなり期待できますが、体内に吸収されて全身に影響するため、ここ最近は、ほとんど処方されていません。持病で不整脈のある人、妊娠中の人などは厳禁です。

浣腸薬

「便秘薬=浣腸薬」というイメージを持つ人がいるくらい、便秘薬としては、定着している薬です。肛門から注入して、直接直腸を刺激します。「グリセリン」が処方されます。強力な下剤ですが、習慣性も強く適応は限定されます。肛門近くの便が硬くて、内服薬だけではどうしても排便できないときなどに用いるのはやむを得ないのですが、できるだけ浣腸薬は使用を控えます。
妊娠中に使用すると、流産の危険性が高まります。

抗コリン薬

副交感神経を遮断し、腸の動きを抑制する作用のある薬で、激しいけいれん性便秘に処方されます。弛緩性便秘の原因となる薬であります。

最近では、ドラッグストアーや薬局でも処方箋不要で便秘改善薬が購入できるようになっています。こちらです。

薬には頼らないで便秘を改善したい場合は、トクホのイサゴールがおすすめです。

脳梗塞の治療に使われる薬

脳梗塞は、発症したらすぐに薬物療法を開始して、脳の損傷を最小限にくい止めることが大切です。急性期を乗り越えたら血栓をできにくくする薬物療法にはいります。

脳梗塞とは

動脈硬化が原因で発症する脳梗塞は、非常に危険な病気です。患者数は137万人で、年間、13万人のもの人が亡くなる病気です。がん、心臓病に次いで多いのが脳卒中(脳血管障害)です。脳卒中には、脳の血管がつまる、脳梗塞、脳の血管がやぶれる、脳出血、脳の血管の瘤が腫れるする、くも膜下出血があります。このうち、最も多くを占めるのが脳梗塞です。
脳梗塞では、脳の血管が詰まって、そこから先へ血流が流れなくなり、酸素やブドウ糖が行き渡らなくなるために脳の細胞が一部壊死をしてしまいます。こうした原因により一命をとりとめても後遺症が残ることが少なくありません。
脳梗塞にも3タイプあり次にように分類されています。

ラクナ梗塞
脳の中の細い動脈が詰まる症状です。主に高血圧が原因で脳の星動脈の動脈硬化が進み、血管壁が厚くなったり、内腔が狭くなり最終的には、詰まってしまいます。
アテローム血栓性脳梗塞
脳の比較的太い動脈や脳に血液を送る頸動脈の動脈硬化から起こるものです。コレステロールなどが血管壁にたまってできたアテロームが破れて血栓ができたり、頸動脈でできた血栓が脳の血管に詰まったりします。
心原性脳梗塞症
心臓の内部でできた血栓が脳の血管に流れていって詰まるものです。心房細胞という不整脈の一種などにより心臓の中で血流がよどんで血栓ができることから起こります。重症化しやすいタイプです。

治療法

病型だけでなく、どの血管が詰まって脳のどの部位がどの程度障害されたかに応じて治療法は異なります。また、急性期、慢性期そして後遺症によっても治療は異なります。

急性期

発症直後の急性期には、血圧、呼吸、体温などの全身の管理や合併症対策に注意しながら脳細胞の損傷を最小限に抑えるための治療が行われます。中心になるのは、薬物療法ですが、発作が起きてからの経過時間が治療法を決めるための鍵となります。

血栓溶解療法
発症直後には、血栓溶解薬を使い、血流の再開、改善を図ります。
抗血小板療法
血栓が大きくなるのを防ぎます。
抗凝固療法
血栓が大きくなるのを防ぎます。
抗脳浮腫療法
梗塞部位生じるむくみを抑え、脳圧低下を図ります。
脳保護療法
脳細胞の死滅をくい止めるために発症直後に脳保護薬を使用します。
血液希釈療法
血漿増量薬で血液の粘りを下げて血流を改善します。

このほか脳の圧力により意識障害が進行しているような場合には、外科的治療で圧迫を軽減します。

慢性期

慢性期は、再発予防が中心となります。脳梗塞は、再発を繰り返すと症状がさらに悪化するので、一度脳梗塞を起こしてしまった人は再発予防につとめます。
ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞では、血圧のコントロール、抗血小板薬による血栓予防、動脈硬化を防ぐための脂質異常症の治療などを行います。心原性脳梗塞症では、抗凝固薬による血栓予防が大事になります。
頸動脈の狭窄が進行していれば、カテーテル治療、そして外科手術を行うケースもあります。

後遺症

後遺症を最小限にとどめるための大切な治療は、急性期からリハビリを行います。脳梗塞の後遺症に伴う意識低下やめまいなどの症状に対して「脳循環代謝改善薬」を使う場合もあります。

脳梗塞の主な症状(まとめ)

  • からだの左右どちらかがうまく動かせない
  • 体の左右どちらかがしびれる
  • 舌がもつれる
  • ろれつが回らない
  • ふらついて立てない
  • ぐるぐる回るようなめまい
  • テキスト
  • 二重に見える
  • 片目が突然見えなくなる
  • 視野の片側が欠ける
  • 意識が朦朧とする

脳梗塞の治療に処方される薬

脳梗塞の治療では、次のような薬が必要に応じて組み合わせて処方されます。急性期には、注射薬が、その後の再発予防には内服薬がメインに使われます。

血栓溶解薬

脳梗塞が発症した直後に使われる血栓溶解療法で処方される薬です。血栓を溶かす作用があります。脳の血管に詰まった血栓を薬で溶かすことで、血流を再開させます。詰まって間もないうちに治療を開始することができれば脳のダメージを最小限に押さえることが出来、後遺症も少なくてすみます。
現在、注目されているのが、「-tPA」(組織プラスミノーゲンアクチベーター)の一種、「アルテプラーゼ」という注射薬で静脈に点滴して使います。血栓溶解薬として心筋梗塞の治療には従来から使用されていましたが、2005年から脳梗塞の治療も保険適用となりました。タイプを問わず、脳梗塞の治療に使えますが、適応は発症から3時間以内に限定されます。また、数は限られますが、この治療を行うことが可能な医療機関では、治療の対象となるかどうかが検討されます。
t-PA療法は、脳梗塞の発症から3時間以内に治療を受けるとほとんど後遺症も残らずに回復するのですが、時間が経過してしまった場合には、脳の細胞が壊死して血管がもろくなるため、血流を再開させると、脳出血を招く危険性が高まることから慎重に検討されます。
このほかの血栓溶解療法としは、カテーテルを血管の詰まった部分まで送り込み、ウロキナーゼという薬を注入する方法があります。比較的、太い動脈に血栓が詰まった軽症から中等症状の人でCT画像上に梗塞巣が見られず、発症から6時間以内に治療が開始できる場合には、効果が期待できるとされています。
ただし、この治療も受診できる病院が限られ、現在のところ健康封建も適用されません。従来、発症後、5日以内のラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞に対し、脳の血流改善を目的に少量のウロキナーゼを静脈に点滴する治療も行われてきましたが、十分な治療効果を得られずに最近では、この治療も行われなくなっています。

抗血小板薬

血液中の血小板には、血管壁が損傷をうけた際に、その部位を固めて出血を抑制する働きがあります。脳の血管内にできる血栓も、動脈硬化で傷んだ血管の内壁に血小板が集まります。
抗血小板薬は、血小板が活性化して固まるのを抑えて血栓ができにくいようにする薬です。脳梗塞の場合、オザグレルナトリウム、という注射薬やアスピリンやその配合剤のアスピリン・ダイアルミネートをはじめとする内服薬が処方されます。

急性期

脳梗塞の抗急性期の治療では、抗血小板薬は主に血栓が大きくなって進行を防ぐ目的で処方されます。オザグレルナトリウムは、発症後5日以内のラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞に点滴を使用して用いられます。運動障害の改善などの効果が確認されえちます。血流を増やす作用もあり、とくにラクナ梗塞に有効です。また、慢性時期に処方されることの多い、アスピリンの内服薬を発症後48時間以内の急性期に用いることで有効なケースもあります。急性期の抗血小板療法としては慢性期の2倍ほどの量を服用します。

慢性期

ラクナ梗塞やアテローム血栓性梗塞の慢性期には、血栓ができるのを防ぐ目的で抗血小板薬の内服薬を服用します。アスピリンが代表的な薬です。そのほかにチクロピジン、クロピドグレルなどの作用の強い薬も処方されます。ラクナ梗塞の再発予防には、シロスタゾールも有効です。
抗血小板薬は、抗凝固薬のワーファリンに比べると血栓予防の作用は弱いのですが、出血の危険性も相対的に低いことから、心原性脳梗塞症でワーファリンを使えない場合の血栓予防にも処方されます。

使用上の注意と副作用

出血しやすくなります。アスピリンは胃腸障害などの副作用が出やすいため、特に水分の摂取制限がない限り多めの水分で服用します。
チクリピジンでは、血小板や白血球の減少、肝障害などが起こる場合があります。定期的な血液検査を実施します。クロピドグレルも同様の副作用の可能性がありますが、安全性は高いとされています。

抗凝固薬

血液中の凝固因子の働きを抑制し、血栓を出来にくくする作用を持つ薬です。脳梗塞の治療においては、「ヘパリンナトリウム」「アルガトロバン」内服薬のワーファリンが処方されます。

急性期

発症後、48時間以内の脳梗塞に対して主にヘパリンナトリウムを点滴で投薬する抗凝固療法が行われます。主として、心原性脳梗塞症の急性期の再発を目的とする治療ですが、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞で梗塞巣が拡大しているような場合、にも検討されるケースがあります。ただし、脳の梗塞が広範囲に及ぶ場合や発作前から著しく血圧が高いケースには、この方法は使われません。
発症直後のアテローム血栓性脳梗塞に対してはアルガトロバンによる抗凝固療法が行われることもあります。発作から48時間以内で脳の梗塞病変が1.5cmをこえるようなケースが対象となり、アルガトロバンを1週間点滴で行います。

慢性期

慢性期の治療では、血栓予防のためにワーファンリンを処方します。心臓でできる血栓には、凝固因子のかかわりが深いことから心原性脳梗塞因子のかかわりが深いことから再発予防に必須の薬です。

使用上の注意と副作用

出血しやすくなるため、妊娠中の女性、高齢者、これから手術の予定などがある人は使えない場合があります。薬の効き方には個人差があり、血液検査により薬が適切に効いているかどうかの判断をします。服用中は、ビタミンKを多く含む食品(納豆・クロレラなど)などは薬の作用を低下させてしまうので控えるようにします。
ほかの薬との併用でも効果が変動しやすく医師の指示を守ることが大切です。

抗脳浮腫薬

脳梗塞を起こすと、梗塞部の周辺の組織に浮腫(むくみ)が生じます。むくみが強く脳圧が高まると、脳の組織が圧迫され正常な細胞にまで障害が及ぶ可能性があります。そこで急性期の抗脳浮腫療法では「濃グリセリン・果糖(グリセロール)」「D-マンニトール」などの脳のむくみを抑制する薬を点滴で行います。特に心原性脳梗塞症、アテローム血栓性脳梗塞でグリセロールがよく処方されます。腎障害、糖尿病患者には慎重に使用します。

脳保護薬

抗酸化作用をもつ「エダラボン」という注射薬が、脳梗塞の急性期の脳保護療法に点滴で使われます。脳梗塞発作後の、深刻な細胞破壊の深刻に影響を及ぼす脳細胞の死滅を防ぐためのものとなります。
どのタイプの脳梗塞にも有効ですが、発症から24時間以内の治療を開始できた場合に限ります。

血漿増量薬

脱水で血液が濃くなると、血液が流れにくくなり、脳梗塞を悪化させる要因になります。そこで急性期の血液の希釈療法では血液の液体成分である「血漿」を増やして粘りを下げ流れやすくする「デキトラン40」などの血漿増量薬を点滴で行います。

脳循環代謝改善薬

脳の血流や代謝を改善する薬です。後遺症に伴うめまいなどに「イブジラスト」「イフェンプロジル」、意識低下に「ニセリゴリン」などの内服薬が処方されます。「シチコリン」という注射薬が急性期の意識障害や発作後の片麻痺などに用いられる場合もあります。

狭心症の治療に使われる薬

心臓に血液を送り込む冠動脈の動脈硬化が進行すると「狭心症」を発症することがあります。さらに「心筋梗塞」へと進行した場合には、命にも直接かかわるだけに狭心症の治療は非常に大切です。

狭心症とは?

狭心症は、心筋(心臓の筋肉)に酸素や栄養を供給する冠動脈の内腔が狭くなって一時期的に血流不足となり、胸痛などの発作を起こす病気です。原因は、冠動脈の動脈硬化でさらに内腔が狭くなったところに血栓などが詰まると血流が途絶え、心筋梗塞を引き起こします。狭心症は以下のように分類されますが、治療は大きく2つに分類されるのが一般的です。

狭心症の分類

器質性
狭心症
苦作性狭心症
運動負荷をかけた際に発作が起こるタイプ。器質性異常狭心症では、冠動脈の狭窄により血流が少なくなっているため、運動で負荷がかかって心筋での酸素の消費量が増えて際に供給が追いつかず発作が起きる。
安静時狭心症
運動負荷がかかっていない安静時に発作が起こるタイプ。冠動脈の痙攣による冠攣縮性狭心症が代表的だが、器質性狭心症でも重症になると苦作時だけでなく安静時の発作もみられる。
冠攣縮性
狭心症
安定狭心症
冠動脈の狭窄はあるが、動脈硬化巣の表面が被膜で覆われていて血栓ができにくいタイプ。狭心症の発作は起こるもののすぐに心筋梗塞につながるわけではない。
不安定狭心症
冠動脈硬化巣が破れやすく血栓ができやすいタイプ。心筋梗塞に以降する危険性が高い。

器質性異常狭心症

冠動脈の動脈硬化が進んで、明らかな狭窄部があるものです。坂道や階段を上るなど、体を動かした際に心筋の酸素消費量が増えて血液の供給が追いつかなくなり、胸痛などの発作症状が起きます。重症化すると、苦作時以外に安静時にも起きるようになります。

冠攣縮性狭心症

冠動脈が激しく痙攣するために内腔が一時的に狭くなり、血流が不足するものです。安静時に起こる狭心症の代表的なもので日本人に多く見られます。発作の特徴は、深夜から早朝にかけて起こります。

治療法

狭心症であれば、発作時には、ニトログリセリンといった即効性の硝酸薬を服用し、発作を鎮めます。日常的に行う治療は、禁煙、肥満解消、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などの危険因子を減らします。動脈硬化の進行を防ぐとともに狭心症のタイプや重症度に応じて次のように治療を行います。

薬物療法

主に硝酸薬やカルシウム拮抗薬、β遮断薬などを服用し、発作を予防します。血栓を防ぐために抗血小板薬を使用する場合もあります。

カテーテル治療

最近、よく聞く治療法です。冠動脈の狭窄部位をバルーンのついたカテーテルを送り込み内側から広げたり、ステントと呼ばれる金属製の網状の筒を設置し、狭窄を防ぎます。

冠動脈バイバス術

天皇陛下が行われた手術で有名になりました。外科手術により冠動脈にほかの血管をつなぎ、狭窄した冠動脈にかわる血液の供給路をつくります。

狭心症の治療に使われる薬

狭心症の一般的な治療薬は、発作を抑える、または予防する硝酸塩のほか、冠攣縮性狭心症では、カルシウム拮抗役、器質性狭心症ではβ遮断薬が処方されます。

硝酸塩

冠動脈や末梢の血管を広げて、心臓の負担を軽減する作用をもつ、狭心症の代表的治療薬。器質性狭心症にも冠攣縮性狭心症にも処方されます。古くから知られるニトログリセリンと同様の作用をもつイソソルビド硝酸塩、イソソルビド硝酸塩などが処方されます。
発作を止めるための即効性のものと発作を予防するために使う持続性のものとがあり、以下のようにたくさんの種類の硝酸塩があります。

狭心症に用いる主な硝酸塩の種類

ニトログリセリン
舌下錠
ニトロペン、ニトログリセリン
スプレー
ミオコール
軟膏
バソレーター
テープ
バソレーター、ニトロダームTTS、ミリス、ミニトロ、メディトランス
舌下または、内服錠
ニトロール、硝酸イソソルビド
イソソルビド硝酸塩
スプレー
ニトロール
徐放剤
ニトロールR、フランドル
テープ
フランドル
イソソルビドー硝酸塩
徐放剤
アイトロール

発作時に使うのは主に舌下錠で舌の下に含んで粘膜から吸収させ作用させます。ニトログリセリンは、舌下に含んで1分ほど経過すると効き始め20~30分効果があります。
イソソルビド硝酸塩では、舌下に含んで2~3分ほどで効き始め、ニトログリセリンよりも少し長く作用します。口の中が乾きやすいドライマウス体質の人には、舌下に噴射して使用する「スプレー」タイプもあります。噴射してから1分ほどで効き始め、効果は60分続きます。
発作を防ぐために使うのは、内服薬が基本ですがテープなどの外用薬も処方されるケースもあります。服用の有無がわからなくなってしまう人などにテープが処方されます。

使用上の注意と副作用

副作用は、頭痛、顔面紅潮などですが、これは血管の拡張によるもので、薬が効いている証でもあります。慣れると治まってくる場合もあるので我慢できるのであれば様子を見ます。
そのほかには、めまい、動悸、品脈、血圧低下などがあります。閉塞隅角緑内障のある人は眼圧を上げる危険性があるので使用厳禁です。勃起障害治療薬との併用もできないので注意します。

カルシウム拮抗薬

降圧剤として高血圧の薬に使われている薬で、血管を拡張させる作用があります。冠動脈を拡張させて血流を改善するとともに全身の血管を拡張させて心臓の負担を減らし、酸素消費量を減らします。狭心症の発作を防ぐためにも有効で
冠攣縮性狭心症心筋症では欠かすことのできない重要な薬です。ジルチアゼム、ニフェジピンをはじめ、アムロジピン、ニフェジピン、エホニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ベニジピン、ベプリジル、ベラパミルなどの薬が治療に使われます。
1日2回服用するのが一般的ですが、服用時間は、狭心症のタイプにより異なります。薬によって作用の強さに違いがあり効果には個人差があります。服用してみて様子を確認しながら種類、量を調節します。血圧の測定も重要です。

使用上の注意と副作用

末梢血管を拡張させることから、副作用としては、顔面紅潮やほてりが多く、頭痛、めまいなどが起こる場合があります。急に服用を中止すると命にかかわる不整脈を起こすこともあるので事故判断で薬の中止、減量をしていはいけません。

β遮断薬

心筋が必要とする酸素量は、血圧と心拍数により決まります。β遮断薬は、血圧を下げ、心臓の働きを抑制し、心拍数を低下させることから、心筋が必要とする酸素の量を減らし、狭心症の発作を防ぐ効果があります。
特に器質性狭心症の発作には効果があります。
冠攣縮性狭心症では、β遮断薬のみを使用すると、病状を悪化させる場合があるとも言われています。他の薬と併用すれば実際には問題にならないので心配はいりません。
器質的な冠動脈の狭窄と冠攣縮が合併しているような人では、カルシウム拮抗薬とβ遮断薬の併用が効果的です。
β遮断薬には多くの種類があり、高血圧の薬としても使われていますが、狭心症によく処方されるのが、アテノロール、ビソプロロール、プロプラノロール、メトプロール、カルベジロールなどでになります。作用時間の長さによって使い分けます。

使用上の注意と副作用

脈が遅くなりすぎると生命に関わる不整脈が起こる場合があるので十分に注意します。心不全のある人は特に慎重に使います。また、急に服用を中止すると、不整脈や狭心症、心筋梗塞などを誘発する危険性があるので勝手に減量したり、中止してはいけません。減量する場合は、少量ずつ行います。

冠血管拡張薬

これまでに挙げた基本的な薬に加え、次のような冠動脈の拡張作用をもつ薬を併用することがあります。
いずれも単独では効果があまり得られない薬です。ニコランジルは硝酸塩と血管拡張薬の作用を併せ持つ薬で、血管拡張作用については、カルシウム拮抗薬ほど強くありません。が血圧をあまり下げない薬です。
副作用が少ないのがメリットです。そのほか、ジピリダモール、ジラゼプ、トラピジル、トリメタジジンなどの薬は冠動脈の拡張作用に加えて、次の抗血小板の作用も一部併せ持っています。

抗血小板薬

血小板の作用を抑制して血液を固まりにくくし血栓の生成を防ぎます。アスピリンやその配合剤のアスピリン・ダイアルミネートをはじめより作用が強いチクロピジンやクロピドグレル、末梢血管の拡張作用もあるシロスタゾールなどがあります。器質性狭窄症では、血栓ができて心筋梗塞が起こるのを防ぐために、少量のアスピリン・ダイアルミネートの不況を続けることを推奨しています。そのほかは、狭心症そのものの治療薬とは異なりますが冠動脈のカテーテル治療後は、抗血小板薬の服用が必須です。冠動脈にステントを留置した際には、通常、アスピリンにチクロピジンかクロピドグレルを併用します。

使用上の注意と副作用

出血しやくなります。チクロピジンを服用すると、血小板や白血球の減少、肝障害などの副作用が出る場合があるため定期的な血液検査が必要です。

狭心症の発作を防ぐ薬一覧

一般名
代表的な商品名
カルシウム拮抗薬
アムロジピン
アムロジン、ノルバスク
エホニジピン
ランデル
ジルチアゼム
ヘルベッサー
ニソルジピンン
バイミカード
ニトレンジピン
バイロテンシン
ニフェジピン
アダラート、セパミット
ベニジピン
コニール
ベプリジル
ベプリコール
ベラパミル
ワソラン
β遮断薬
アセブトロール
アセタノール、セクトラール
アテノロール
テノーミン
アルプレノロール
レグレチン
オクスプレノロール
トラサコール
カルテオロール
ミケラン
セリプロロール
セレクトール
チリソロール
セレカル
ナドロール
ナディック
ニプラジロール
ハイパジール
ビソプロロール
メインテート
ピンドロール
カルビスケン
プフェトロール
アドビオール
ブロプラノロール
インデラル
ベタキソロール
ケルロング
メトプロロール
ロプレソール、セロケン
アロチノロール
アルマール
カルベジロール
アーチスト
冠血管口調薬
ジピリダモール
アンギナール、ペルサンチン
ジラゼブ
コメリアン
トラピジル
エステリノール、コロルナール
トリメタジジン
バスタレル
ニコランジル
シグマート